悪夢
俺は荒廃した大阪の街を歩いていた。
ここは、SPAS本部前の道路だ。そのはずだ。
頭では分かっていても心が認めようとしなかった。
なぜなら、目の前の光景が信じられなかったいや合ってはならない事だったからだ。
道路脇には、SPAS隊員とか一般人とか関係なく倒れていた。
血痕とか外傷とかがあるわけじゃない、ただわかるんだ。
ここには生きてる人なんて一人もいないと。
そして、行かない方がイイと頭では言ってるのに、
呆然としてSPAS本部の中に入って行った。
そして、見つけてしまった。ユーリが、翔が、ミアが、礼子が、
その他大勢のSPAS隊員が倒れているのを見て、俺の中の何かが音を立てて崩れ始めた。
「また俺は、あの時と同じように大切な人達を守れないのか・・・?」
何で俺ばっかり生き残るんだ?何で?
どうして?こんな無力な俺が生きてる意味なんてあるのか?
SPASに入って、俺は何がしたかったんだ?
大切な人を守る力が欲しくて、SPASに入ったはずなのに、その結果がこれか・・・?
すると突然、「はっはっはっはっはっは・・・・・。」という不気味な哄笑が聞こえてきた。
いつもの習性で瞬時にホルスターから愛銃のUSPを腰元に構えた。
声が聞こえてくる方向に歩いていくと、
背広を着た中肉中背の男が、背を向けてあの哄笑を響かせながら立っていた。
USPを心臓にポイントさせながら、
「動くな!!」と言った。
「誰だい?このビルにはもう誰も生きてる人はいないと思ったんだけど。」
言いながら振りかえろうとした。
ポイントしていた位置をわずかにずらして、右肩に一発くらわしてやった。
「動くな!!と言ったはずだが?」
「どうやら、SPASの上位隊員であるようですね。」背中が笑っていた。
「だからどうやゆうねん!」自分を保てなかった。
パンパンッ
右足に2発、体勢が崩れて倒れた、向きが変わって俺と目が合った。
「これでは、君はSPASの隊員として失格だな。」
冷静にならなければならない。任務に支障が出る。
という声が聞こえてきた。グリーフィングの時の誰かの言葉だった。
誰だったかな?と思いつつ、
「お前に言われる筋合いないやろが!」
と相手の顔を凝視しながら言った。
「私を忘れたのか?楓。育ての親同然の私を。」
冷たい視線が俺に思い出させた。
「陣さん、何で?」闇に身を落とした男は、笑いながら、
「何で?だと、私は全てを奪われたんだよ。楓。
SPASに。だから、俺は誓ったんだ。SPASを必ずや潰して見せると。ハッハッハッハッハッハ・・・。」
もう昔の陣さんはいない。
今の陣さんは殺してしまわないと、絶対世界を破滅へと追いやるだろう。
その前に、
「陣さん、死んでくれ!」
USPから放たれた弾丸1発、2発、3発が陣さんの頭にHITし、
陣さんを絶命させた。
何で?何故?!WHY?これは何なんだぁ!?俺は何故陣さんを〜・・・。
「ウワァァああああ〜!!!」
「どうしたんや?楓。」翔の声がした。
夢??夢やったんか??今のが・・・夢?
「どうもしてないで。」あんな夢見たなんて言えるわけあらへん。
「どうもしてない事あるかい!あんなうなされといて、それにジンサンがどうとか?」
俺は悲痛な顔で、
「頼む、その事は誰にも言わんといてくれ!頼む。。」と言った。
「そこまで言うならまぁ。」
と翔はなんだかなぁと思いつつも、しゃあないなぁと言った顔だった。