短編「魔犬」@
E−08”魔犬”。
彼の名前は大神風正と言った。
人より闘争を好む青年、少年の方がいいだろうか。
歳は十五で身長は六十五ぐらい。
黒瞳は鋭く、黒髪は伸び放題。
茶葵は切らせろと五月蝿いが恥かしくて反発している。
Eナンバーの中では比較的仲はいいが、歳が近いこともあって妙に意識をしている。
そんな彼がSPASから与えられた能力の名は”銃弾無効”と言った。
数ある身体能力の中でも、特別変わった能力だ。
研究者曰く、
「この能力を持って生まれてくると、野球とかで役に立つんだぜ!」らしい。
彼は音速をはるかに超える銃弾を弾き返すことができる。
見えるのではない、体が感じるのだ。
ココニクル コウハジケバイイ ホラアタッタ
彼は今日学校が休みだった。
退屈なので”本部”にきたのだった。
それが間違いだった。
茶葵に見つかってしまった。
彼女は学校をサボったようだった。
「正ちゃんに会いたくてさ。
つい、学校サボっちゃった。」
「つい、でサボるなよ。」
「嬉しくないのぉ〜〜。
本当のこと言うてみ。
嬉しいよなっ!正ちゃん。」
「誰が嬉しいって?
誰がお前なんかに会いに来るか。
色ボケ娘が。」
「今はボケとは言わないヨ〜〜。
不感症っていうんだよ。」
「どっちでも良い!!」
「でさぁ。髪切らして。
オ・ネ・ガ・イ♪」
「キモイからやめろ。
それから唐突に話を変えるな。
トレーニングをしに来ただけだ。」
「じゃあ、賭けをしよう♪
正ちゃんが負けたら髪切らしてね♪」
「だからなんでそう一方的に・・・・」
「男が勝負事から逃げるのか。
勝つ自信が無いとでも言うの。」
「・・・乗ってやるよ。
やりゃいいんだろ。」
言ってからしまったと言う顔をした。
「で、俺が勝ったときのメリットは。」
ココまで来たらやるしかないだろうと彼は自分に言い聞かせた。
「(このいやらしい性格が無かったら・・・)」とか考えつつ。
「好きにしていいよ。」
顔を赤らめながら言った。
近くにいた、他のオトコE達は一斉に振り向いた。
顔中真っ赤にして、火が出ているヴィジョンが見える。
「な、何言ってるんだよ。」
あまりにビックリして、声が平坦になっている。
胸の鼓動が荒れ狂っている。
年頃の男らしく妄想力が全開になっている。
こちらも顔が真っ赤になっている。
「本当に何でもいいんだな?」
彼は恐る恐る聞いた。
次のセリフが笑いを生まれた。
「Hな事考えたでしょぅ。」
「・・・・・・!!!!」
「あぁ、これだから男は。」
さっきまでの、真っ赤な顔は消失している。
今はあの、イヤミな顔をしている。
「手前だけはぶち殺す!!」
「じゃあ、トレーニングルーム三番にいるから。」
茶葵は逃げるように走り去った。